
京都禅寺精進料理と町家茶室 — 千年の苔庭に響く静寂と、五味五色の滋味
京都の精進を知るとは、肉魚を使わない献立を数えることではない。米を洗う水、根菜に残る土、椀を持つ指先、その一つひとつに食事の成立する縁を見いだすことである。本章では、大徳寺、天龍寺、南禅寺、妙心寺、高台寺を道標に、僧堂の修行食、寺院の来訪者向け料理、門前の湯豆腐、東山の湯葉料理を区別しながら歩く。禅の戒めと京料理の洗練が触れ合い、なお同じものにはならない、その境目に京都の食文化の奥行きがある。
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